よくあるご質問
猫ちゃんに関するご質問
避妊、去勢手術は必要ですか?不自然な医療と思ってしまいます。しかも全身麻酔でしょう?
少なくとも当院では 、基本的に避妊、去勢手術をお勧めしています。
勿論不自然といえば不自然な医療行為ですし、デメリット、メリットがありますので、ご自身でもよくお考え下さい。
〈デメリット〉
・全身麻酔のリスクが避けられない。(但し、若い時の方が心臓や腎・肝臓などに問題が無いことが多いのでリスクも低く抑えられる)
・女の子は開腹手術により卵巣子宮を摘出、男の子は皮膚切開により睾丸を摘出するので元に戻す事はできない。
・基礎代謝が下がるため太りやすくなる。膵炎や骨粗鬆症のリスクが高まる。
〈メリット〉
・望まない妊娠出産での捨てられる猫が減る。(ネコは交尾排卵と言って交尾の刺激で排卵するのでほぼ確実に妊娠する)
・交尾行動やケンカで猫後天性免疫不全ウイルス感染症(俗に言う猫エイズ)や猫白血病ウイルス感染症などがうつるリスクが減る。
・加齢に伴いリスクが高まる前立腺の病気や乳腺、子宮・卵巣の病気の予防になる。
・男の子では屋内でのマーキング(壁などにスプレーの様に尿を噴射する)が減る。85%程度の子で収まるとは言われている。
発情期を迎えた子の中にはいつもはおとなしくてもこの時期には攻撃性が増して飼い主さんに怪我をさせたり、同居猫がいる場合はケンカにより受傷し合う事もあります。また、食欲が全く無くなり、ただただお外に行って繁殖行動を取らねば!となる子もいます。
雄雌関わらず夜昼無く、大きな独特の声で鳴き続けたり、脱走を試みる危険性が増えます。ケンカに巻き込まれ、怪我をしたり、交通事故に遭う事もあります。
これらの発生の機会を減らすことができます。
ネコの女の子への乳腺腫瘍への抑制率はイヌ程明確ではありませんが、初回発情期以前に避妊手術を済ませた場合では明らかに発症の危険性は低いと言われています。
※手術をした子たちの方が平均寿命が長いというデータもあります。繁殖により世代交代が進んだり、期間中の食欲不振などが体調を崩してしまうきっかけになる、ケンカや交尾で病気に感染する、事故に遭う事もある、なども寿命に影響があるのかもしれません。
勿論赤ちゃんの誕生は感動的ですし、家で生まれた子の可愛さは格別かもしれませんが、今目の前にいる子を最優先にお考え頂いて結論をお出しになれば良いと思います。